●安いお米のわけ

 例えば農園『花囲夢』の天日干し米はキロあたり450円です。9kgとして1か月で4050円。月々の食費にかかる割合としては、決して高くはないんですが、主婦(主夫)たるもの財布のひもは堅いですから、ついつい安売りに。
 近くのスーパーでキロあたり250円というコシヒカリを見たことがあります。少なくとも純粋な本年度産コシヒカリの1等米では考えられない値段です。農協が生産者から買う価格が今年は安くて1俵11,500円(昨年2003年は22,000円)。売価14,000円(1俵は60kgですが精米すると56kgぐらいになります)では20%の利益しかない。どう考えてもスーパーの利益分だけなんておかしい話です。中間マージンが存在しないわけはないし、これでは精米業者の設備投資だってできない。昨年の米が混入しているという話がありました。過剰に仕入れて値段が上がり、売れなくなった米を混ぜたケースも確かに考えられます。それよりも問題なのが、1等米ではなくて等級が落ちた米を混入している点です。
 米の品質表示欄を見るとわかるのですが、生産年、銘柄、産地、精米日などが書かれています。しかし、等級に関しては表示義務がありません。2等米、3等米では価格が極端に安くなります。現在は精米技術が良くなり、何千万円〜何億円をかけた精米施設であれば、くず米などを除去してふるい分け、パックすることが可能です。また、実際に行われているかどうかは別として、精米年月日は最後に精米した日をさしますから、売れ残ったお米を新しく精米したお米に混ぜても表示上は問題ありません。お弁当の製造日が最後に盛りつけをした日であったり、クリスマスケーキの製造日がデコレーションして包装した日であるのと同じです。営利を追求すればこういうことになると思いますが、生産する側にとっては残念なことです。
 そうしてあまり美味しくない米を食べるから、消費量も減ってしまうんだと思います。いろいろな米が混ざり、炊きあがりを合わせるべく粒の大きさをそろえたお米は確かに便利です。しかし、できたものをそのまま食べないとおいしさは出ません。不純なものがほんの少し入っていた方が明らかにおいしいのです。もちろん、小石が入っていたりするのは論外ですけど、昔と違って農家が扱う機械も高性能になりました。
 試しに、農園『花囲夢』の天日干しのお米を食べてみてください。味の違いがわかると思います。

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